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がん治療を正しく知る


がんは「長く向き合う病気」

医学の進歩により、抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など、がん治療の選択肢は大きく広がりました。
その結果、がんは「すぐに命に関わる病気」から、「長い時間をかけて向き合う病気」へと変化しています。
一方で、多くの方が治療を始めてから実感するのは、がんは短期間で終わる病気ではなく、長い時間向き合う病気であるということです。

だからこそ重要なのは、

  • 治療の効果を高めること
  • 身体への負担をできるだけ抑えながら続けること

この両方を同時に考える視点です。
その土台になるのが、私たちの体に本来備わっている免疫の力です。

がんとは何か

がんは、体の中で起こる遺伝情報の変化をきっかけに生まれます。
本来、細胞の増殖は厳密にコントロールされていますが、その制御が失われることで、細胞が増え続ける状態になります。さらに、別の場所へ移動して増殖する「転移」を起こすこともあります。

ただし重要なのは、がん細胞そのものが直接症状を引き起こすというよりも、

多くの場合、

  • がんが増えて塊(腫瘍)になる
  • 臓器を圧迫する
  • 臓器の働きを妨げる

といった結果として現れます。つまり、私たちが問題としているのは、「がんが存在すること」ではなく、「がんが増え続け、体のバランスを崩すこと」です。

したがって、がんと向き合う第一歩は、現在の状態や進行の段階を正しく理解することです。

がんと免疫の関係

「免疫が弱いからがんになる」と考えられがちですが、実際には、免疫は常に働いています。
私たちの免疫は、

  • 異常な細胞を見つける
  • それを排除する

という役割を持っています。

実際に体の中では、がんに対する免疫反応は継続的に起きていますが、その力ががんの増殖に追いついていない状態です。

しかし、がん細胞は正常細胞とよく似ているため、免疫にとっては強い“異物”として認識されにくい特徴があります。その結果、がんの増える力 > 免疫の排除する力 という状態になると、がんは増えていきます。

重要なのは、免疫が働いていないのではなく、がんの増える力に対して免疫の力が追いついていない状態だということです。

したがって、がんの状態は「がんの増える力」と「免疫が排除する力」のバランスで決まっています。このバランスが崩れたときに、がんは目に見える形で増えていきます。

 

標準治療の役割

現在のがん治療の中心は、科学的根拠に基づいた「標準治療」です。標準治療は非常に重要であり、多くの患者さんにとって治療の中心となります。主に以下の3つがあります

  • 手術治療 (局所治療)       → がんの塊を直接減らす 
  • 放射線治療(局所治療)       → がんの塊を直接減らす 
  • 抗がん剤などの化学療法(全身治療) → がん細胞の増殖を抑える 

これらは非常に重要な治療ですが、体内のすべてのがん細胞を完全に取り除けるとは限りません。
特に、画像では見えない微小ながん細胞 は残る可能性があります。

ここで重要なのは、この免疫の働きは、治療の有無に関わらず常に存在しています。そして、治療の前から、治療中も、治療後も、常にがん細胞に対して働き続けているという点です。

つまり、

  • 標準治療は、がんの量や増殖の勢いを大きく抑える 
  • 免疫は、その中で常にがん細胞を排除しようとする 

という関係にあります。言い換えれば、標準治療は、「がんの増える力」を弱めることで、免疫が排除しやすい状態をつくる治療と理解することができます。

免疫を高めるという考え方

ここで重要なのは、免疫を高めることは、標準治療を置き換えることではないという点です。
免疫はもともと体に備わっている「排除の力」です。しかし、がんの進行に伴い、その力が十分に発揮できなくなることがあります。

免疫を高めるとは、

  • この本来の力を引き出す 
  • がんの増える力とのバランスを改善する 

ことを意味します。したがって、

  • 標準治療で増殖を抑え 
  • 免疫で排除する力を高める 

という組み合わせによって、がんの増える力 < 免疫の排除する力という状態へ近づけていくことが重要になります。免疫を高めるとは、新しい力を加えるというよりも、本来持っている力を十分に発揮できる状態に近づけることです。

免疫細胞療法と温熱療法の位置づけ

免疫細胞療法は、

  • がんを免疫にとって認識しやすくする 
  • 免疫反応を強める 

ことで、もともと備わっているがんを排除する力を高める治療です。

温熱療法には、

  • 血流や組織環境の改善 
  • 抗がん剤や放射線の効果の増強 

といった作用があります。さらに、

  • 免疫が働きやすい環境を整える 

という重要な役割も持っています。

これらの治療は、直接がんを取り除くものではありませんが、体の中で免疫が働きやすい状態をつくることで、治療全体を支える役割を持っています。

まとめ

がん治療を理解するためには、それぞれの役割を整理することが重要です。

  • 標準治療:がんの量や増殖を抑える 
  • 免疫反応:常にがんを排除しようと働いている基盤の力 
  • 免疫療法:その力を高める 
  • 温熱療法:治療と免疫が働きやすい環境を整える 

これらは別々のものではなく、互いに関係しながら、全体として治療を支えていると考えることが大切です。
このように、がん治療は単独の方法で完結するものではなく、それぞれの役割を理解したうえで組み合わせることが重要です。当クリニックでは、この考え方に基づき、免疫反応という基盤を高める治療を取り入れています。

免疫療法について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

これらの考え方に基づき、当クリニックでは免疫反応という基盤を高める治療を組み合わせています。

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